害虫診断ガイド

アオムシとヨトウムシ|色だけで決めず、卵・時間・隠れ場所で見分ける

アブラナ科の葉に不規則な穴と粒状のふんがあれば幼虫食害を疑います。昼の葉上に緑の幼虫、葉裏に黄色い卵が1粒ずつならアオムシ寄り。卵塊や若齢幼虫の群れ、夜の株元に出る幼虫ならヨトウムシ類寄りです。穴だけで決められない時は、除去して昼夜を再確認します。

1粒の卵

アオムシ寄り

卵塊・群食

ヨトウ寄り

昼の葉上

アオムシ寄り

夜の株元

ヨトウ寄り

食害穴のあるキャベツの葉裏で青虫を確認する様子

アオムシはモンシロチョウの幼虫で、キャベツや白菜などのアブラナ科に多く、成長した幼虫は日中も葉上で見つかります。ヨトウムシ類は若齢期に葉裏で群食し、中齢以降は分散して昼に株元や土中へ隠れ、夜に食害します。ただしヨトウムシ類の幼虫も若い時は緑色があり、色だけでは確定できません。卵、群れ方、活動時間、隠れ場所を組み合わせます。

黄色い細長い卵が1粒ずつならモンシロチョウ、数十粒以上の卵塊ならヨトウムシ類を疑う
日中の葉上はアオムシ、夜の株元と昼の浅い土は成長したヨトウムシ類を重点確認
葉裏の群食と白いカスリ状の食痕は、ヨトウムシ類の若齢幼虫を疑う
確定できなくても幼虫・卵を除き、ネットを閉じて3〜4日毎日再確認する
食害穴から青虫とヨトウムシを探して防虫ネットを張る診断手順

穴だけで決めず、葉裏、ふん、活動時間、株元の順に確認します。

診断ステップ

症状を見て原因と対策を切り分ける

1

発見時

新しい穴・カスリ状の食痕・ふんを分けて見る

葉脈を残す大きな穴と近くの粒状のふんは、成長した幼虫がいる手掛かりです。葉裏から表皮だけを残した白いカスリ状の面がまとまる場合は、ヨトウムシ類の若齢幼虫が群食していないか確認します。穴の形だけでは種類を確定しません。

  • 穴だけで確定しない
  • カスリ状の面は葉裏を見る
  • ふんの上方を探す
2

日中

卵が1粒ずつか、卵塊かを見る

モンシロチョウの卵は黄色で細長く、葉裏へ1粒ずつ産み付けられます。ヨトウムシ類は葉裏へ数十〜数百粒の卵塊を作り、種類によっては毛で覆います。形が不鮮明、すでにふ化済み、複数種が混在する場合は卵だけで確定しません。

  • 黄色い細長い1粒
  • 数十粒以上の卵塊
  • 不鮮明なら確定しない
3

昼と日没後

昼は葉上、夜は株元を同じ株で確認する

日中に葉上や葉脈沿いで緑の幼虫が食べていればアオムシ寄りです。日中に見つからないのに新しい穴が増える時は、日没後に葉、葉柄の付け根、株元を照らします。夜に出て、昼は株元や浅い土へ隠れる大きな幼虫ならヨトウムシ類を疑います。

  • 同じ株を昼夜見る
  • 夜は葉柄と株元
  • 色だけで決めない
4

確認直後

幼虫と卵を取り除く

手袋や園芸用の箸で幼虫を取り、ふた付き容器へ入れて処分します。葉裏にまとまった卵があれば葉を切りすぎず、テープなどで除去します。

  • 素手で触れない
  • 卵も同時に除く
5

処置時

被害の強い葉を整理する

腐敗した葉や幼虫が潜り込んだ外葉は袋で受けて除去します。ただし生育に必要な葉まで一度に取りすぎると株が弱るため、穴があるだけの緑葉は残せます。

  • 腐敗葉を優先
  • 緑葉を取りすぎない
6

処置後

ネットを閉じて再確認する

目合いの細かい防虫ネットを葉に触れない高さで張り、裾と出入口を閉じます。ネット内に幼虫や卵が残ることがあるため、3〜4日は毎日、新しい穴・ふん・幼虫を確認します。食害が続くのに何も見つからなければ、コナガ、カブラハバチ、ナメクジなど別の害虫も疑います。

  • 裾のすき間を閉じる
  • 3〜4日毎日点検
  • 続くなら別害虫も確認

発生しやすい時期

モンシロチョウが飛び始めたら、アブラナ科の葉裏とネットのすき間を週2〜3回確認する。

食害が急に進む株は夕方から夜に確認し、ヨトウムシとふんを探す。

秋冬野菜の播種・定植直後からネットを張り、若い株の芯を守る。

プランターで食害を広げない管理

鉢は地面へ直置きせず、底や鉢の下に潜む幼虫も確認します。防虫ネットは支柱で葉から離し、鉢縁へクリップで固定して風で裾が開かないようにします。

  • 鉢底と鉢の下を見る
  • 葉とネットを離す
  • 鉢縁のすき間を閉じる

判断に迷った時

葉に穴があるのに虫が見つかりません

新しいふんがあれば、夕方から夜に葉裏と株元を照らします。ヨトウムシは昼に土へ隠れることがあります。

防虫ネット内で青虫が増えました

苗や葉に卵が付いたまま覆った可能性があります。葉裏を確認して除去し、裾のすき間も閉じ直します。

キャベツの中心まで食べられています

中心葉の重なりを開いて幼虫とふんを取り、腐敗した外葉だけを整理します。芯が残れば回復する場合があります。

毎晩捕っても食害が続きます

鉢底、株元の浅い土、支柱の陰も確認します。多発時は対象作物と害虫に登録のある薬剤をラベル通りに使用します。

緑色の幼虫ならアオムシですか?

色だけでは断定できません。ヨトウムシ類も若い時は緑色があります。アブラナ科か、卵が1粒か卵塊か、日中の葉上か夜の株元かを組み合わせます。

穴とふんだけで種類を決められません

無理に名前を決めず、見つけた幼虫と卵を除きます。同じ株を日中と日没後に見て、24時間後に新しい食痕が増える場所を確認します。

食害葉を洗う状態と利用できる内部、腐敗葉の処分を比較

収穫・食用判断

食害された野菜を収穫する時の判断

穴が少なく腐敗していない葉は、幼虫とふんを除いて流水でよく洗えば利用できます。芯まで腐敗したもの、異臭やぬめりがあるもの、薬剤の使用基準を満たさないものは食べません。

葉を一枚ずつ開く
流水でふんを洗う
腐敗・ぬめりは除く
薬剤ラベルを守る
青虫、ヨトウムシ、葉裏の卵、食害穴とふんの比較

症状別の対策

青虫・ヨトウムシの見分け方

図は代表例です。幼虫の色だけでなく、活動時間、隠れ場所、卵、群れ方、ふんを組み合わせます。

アオムシ寄り

アブラナ科の葉上に緑の幼虫。日中も食害し、葉裏に黄色い細長い卵が1粒ずつある

葉上と葉裏から幼虫・卵を除き、ネットを閉じる。

若いヨトウムシ類寄り

葉裏に卵塊や幼虫の群れがあり、表皮を残した白いカスリ状の食痕が広がる

卵塊・群れごと早期に除き、周囲の葉裏も確認する。

成長したヨトウムシ類寄り

日中は見つからず、夜に株元から出て大きな穴を広げる。昼は株元や浅い土へ隠れる

日没後に捕り、翌朝に株元と浅い表土を確認する。

まだ判定できない

穴やふんだけ、幼虫の色だけ、または昼夜を見ても一致しない

種類を断定せず、幼虫を除去して24時間後の新しい食痕を確認する。

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根拠と安全確認

参考資料

よくある質問

野菜の青虫はどうやって駆除しますか?

葉裏と葉脈沿いを探し、手袋や園芸用の箸で取り除きます。卵も除去し、防虫ネットで新たな産卵を防ぎます。

ヨトウムシはどこに隠れていますか?

昼間は株元の浅い土、鉢底、枯れ葉の下などに隠れ、夜に葉へ上がることが多いため、日没後の確認が有効です。

青虫がついた野菜は食べられますか?

腐敗や異臭がなければ、幼虫とふんを除いて一枚ずつ流水でよく洗い、傷んだ部分を切り落として利用できます。

防虫ネットはいつ張りますか?

種まきや苗の植え付け直後、成虫が産卵する前に張ります。葉に卵がないか確認してから裾をすき間なく閉じます。

アオムシとヨトウムシは卵で見分けられますか?

モンシロチョウは黄色い細長い卵を葉裏へ1粒ずつ、ヨトウムシ類は数十〜数百粒の卵塊を作るのが代表的です。ただしふ化後や他の害虫の卵では断定せず、幼虫の活動時間と隠れ場所も確認します。

農薬は何を何倍で使いますか?

このページでは製品名や希釈倍率を固定しません。使用時点で対象作物と害虫に登録のある家庭園芸用製品を選び、ラベルの希釈、回数、収穫前日数を守ってください。