さつまいも栽培ガイド

【2025年版】初心者でも簡単!挿し苗植付から収穫・追熟まで、甘くて美味しいさつまいもの完全栽培マニュアル。

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さつまいも栽培ガイド
栽培難易度
初心者向け
📅
栽培期間
110-150日
🌤️
最適季節
春・夏植え
💪
栄養価
ベータカロチン・食物繊維・ビタミンC豊富
苗選び・植付準備
苗選び・植付準備
30-40cmの健康な苗選び
植付・活着
植付・活着
成長点を地上に出す
つる返し・管理
つる返し・管理
余分な根を除去
収穫・追熟
収穫・追熟
追熟で甘味向上

さつまいも栽培の詳細ステップ

苗選び・土づくり
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苗選び・土づくり

植付2週間前

良質な挿し苗の選択と適切な土づくり。健康で充実した苗と水はけの良い土壌が成功の基礎

茎が太くしなやかで葉が5-6枚の苗選択
葉が厚く濃い緑色の元気な苗
pH5.5-6.0の土壌・排水性重視
有機堆肥施用・肥料は控えめに
高畝作りで排水対策

苗の品質と土壌の排水性が収量を決定

植付け(寝かせ植え)
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植付け(寝かせ植え)

5-6月

挿し苗を寝かせて植える独特の植付方法。成長点を地上に出し、茎部分を土中に埋める

深さ10cmの植え穴を掘る
苗を寝かせて成長点だけ地上に
茎の節部分から根が出る
株間30-40cm・畝と平行に植付
植付後たっぷり水やり

成長点を埋めると枯れる・必ず地上に出す

活着・初期管理
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活着・初期管理

植付後1-2週間

植付後の活着確認と初期の管理作業。水やりと除草でしっかりと根付かせる

植付後1週間はたっぷり水やり
活着後は水やり控えめに
除草・軽い中耕作業
つる伸長開始の観察
補植が必要な場合は早めに

活着期の水管理が成功の鍵・過湿注意

つる返し作業
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つる返し作業

7-9月

地面に根を張ったつるを反転させる重要作業。余分な根を除去していも肥大を促進

つるに根が出たら実施
つるを持ち上げて反転
余分な根を地面から離す
月1-2回程度実施
いも肥大を優先させる

つる返しでいも肥大促進・収量アップの重要作業

収穫時期判断
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収穫時期判断

9-11月

葉の黄変と試し掘りで収穫時期を判断。霜が降りる前に収穫完了が品質保持の秘訣

葉が黄色く変色したら収穫サイン
試し掘りで大きさ確認
霜が降りる前に収穫完了
植付から110-150日が目安
晴天続きの日を選択

霜害前の収穫が品質保持の絶対条件

収穫・保存
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収穫・保存

収穫適期

丁寧な収穫作業と適切な保存方法。追熟により甘味が増し、長期保存が可能

スコップで周りを掘ってから手で収穫
いもを傷つけないよう丁寧に
収穫後表面を乾燥
新聞紙に包んで追熟
15-20℃で2週間追熟

丁寧な収穫と追熟で甘味向上・長期保存可能

🍠さつまいも収穫タイミング【見極め方法】

葉っぱの黄変と植付け日数で判断する最適な収穫時期

さつまいもの収穫時期は葉っぱの色変化が最重要指標です。植え付けから110-150日、緑色の葉が黄色く変化したら収穫のサイン。品種や気候で変動するため、試し掘りで大きさを確認することが美味しいさつまいも収穫の秘訣です。

収穫タイミング判断基準

早期収穫(小いも)の状態

早期収穫(小いも)

未熟状態
長さ10-15cm・重量50-100g
  • 葉がまだ青々としている
  • いもが小さく未熟
  • 甘味が不十分
  • 皮が薄く傷つきやすい
  • 植え付けから80-100日

収穫はまだ早い

収穫適期の状態

収穫適期

最高品質
長さ15-25cm・重量150-300g
  • 葉が黄色く変色し始める
  • いもが十分に肥大している
  • 試し掘りで大きさ確認済み
  • 霜が降りる前
  • 植え付けから110-140日

収穫開始・最適タイミング

収穫限界期の状態

収穫限界期

品質低下リスク
サイズ問わず
  • 霜が降りる直前
  • 葉が完全に枯れている
  • 寒さでいもが傷む可能性
  • 収穫が遅れすぎている
  • 植え付けから150日以上

緊急収穫・霜害前に完了

品種別収穫時期の見極め

ベニアズマ(人気品種)

収穫期間:植付後120-140日
特徴:

育てやすく多収。皮は紅色で果肉は黄白色。ホクホクした食感で甘味があり、焼きいもに最適

コツ:

葉が黄色く変色してから収穫。皮が厚く保存性が良い。国内シェアNo.1の安定品種

べにはるか(高糖度)

収穫期間:植付後130-150日
特徴:

糖度が非常に高くねっとり食感。安納芋に似た甘さで料理やお菓子作りに人気

コツ:

十分に熟成させてから収穫。追熟により糖度がさらに向上。しっとり系の代表品種

シルクスイート(滑らか)

収穫期間:植付後120-140日
特徴:

シルクのように滑らかな食感。上品な甘さでスイーツのような味わい

コツ:

皮が薄いため丁寧に扱う。収穫後の追熟でより滑らかな食感に。高級品種として人気

収穫タイミングのよくある失敗

⚠️霜が降りてから収穫

問題:

寒さでいもが傷み、保存性が大幅に低下

解決策:

11月上旬までに収穫完了。霜予報をチェックして早めに収穫

⚠️葉が青いまま早期収穫

問題:

いもが小さく甘味が不十分

解決策:

葉が黄変するまで待つ。試し掘りで大きさを確認してから収穫

⚠️収穫時にいもを傷つける

問題:

傷ついたいもは保存がきかず腐りやすい

解決策:

スコップで周りを掘ってから手で丁寧に掘り出す

季節別収穫タイミング

春植え収穫(9-11月)

気候条件:秋の好天期・霜害前
収穫のコツ:

霜が降りる前に収穫完了。晴天続きの日を選んで作業。追熟で甘味アップ

📅さつまいも植え付け時期・収穫時期

最適な栽培時期

春植え栽培(5-6月植付→9-11月収穫)が基本。地温18℃以上・霜の心配がなくなってから植付けが成功の秘訣です。

春植え栽培(基本)

植え付け時期5月上旬-6月下旬
活着時期5月中旬-7月上旬
収穫時期9月下旬-11月下旬
適温地温18℃以上
栽培期間約4-5ヶ月
特徴:

最も作りやすい作型。安定した気温で活着し、秋の好天期に収穫できるため品質が良い。初心者に最適で失敗が少ない。

⚠️重要なポイント

  • 地温18℃以上の確保が栽培成功率を決定する最重要ファクター
  • 挿し苗は5-6枚の葉がついた健康な状態を選択
  • 寝かせ植えで成長点のみ地上に出す
  • つる返し作業でいも肥大を促進
  • 霜害前の収穫完了が品質保持の絶対条件

地域別栽培時期

栽培地域マップ

北海道・東北地方(冷涼地)

植付時期6月上旬以降
収穫時期10月上旬-11月上旬
注意点短い栽培期間・霜害対策必須
ポイント:

栽培期間が短いため早生品種を選択。霜が早いので収穫時期に注意が必要。

関東・甲信越地方(中間地)

植付時期5月中旬-6月中旬
収穫時期9月下旬-11月中旬
栽培特徴最適な栽培環境
ポイント:

さつまいも栽培に最適な気候。安定した収量と品質が期待できる代表的栽培地域。

東海・関西・中国・四国地方(暖地)

植付時期4月下旬-5月上旬
収穫時期9月上旬-11月下旬
栽培特徴早植え・長期栽培可能
ポイント:

早植えが可能で栽培期間が長い。高品質ないもの生産に適した温暖な気候。

九州・沖縄地方(亜熱帯地)

植付時期4月上旬-5月上旬
収穫時期9月上旬-12月上旬
栽培特徴超早植え・長期収穫
ポイント:

最も早く植付可能で収穫期間も長い。高温多湿対策と台風対策が栽培のポイント。

さつまいも栽培年間スケジュール

4月

平均気温 12-18℃

📅 下旬

🌱暖地植付準備

  • 暖地では植付開始
  • 挿し苗調達・品種選定
  • 畑の土づくり開始

5月

平均気温 15-22℃

📅 上旬-中旬

🚜土づくり・準備

  • 畝立て・排水対策
  • 有機堆肥施用
  • 挿し苗の最終準備
📅 中旬-下旬

🌱植付開始

  • 関東・中間地植付開始
  • 寝かせ植えで植付
  • 地温18℃以上確認

6月

平均気温 18-25℃

📅 上旬

🌱冷涼地植付

  • 東北・北海道植付
  • 活着確認・補植
  • 初期除草作業
📅 下旬

🌿初期管理

  • 活着後の管理
  • 除草・軽い中耕
  • つる伸長開始

7月

平均気温 22-28℃

📅 全期

🌿つる伸長期

  • つる伸長旺盛期
  • 除草・中耕作業
  • 病害虫観察

8月

平均気温 25-30℃

📅 上旬

🔄つる返し作業

  • 1回目つる返し実施
  • 余分な根を除去
  • いも肥大促進
📅 下旬

🍠肥大期管理

  • いも肥大開始期
  • 水やり控えめに
  • 2回目つる返し

9月

平均気温 20-26℃

📅 中旬

🍠いも肥大最盛期

  • いも肥大最重要期
  • つる返し継続
  • 収穫準備開始
📅 下旬

🍠早期収穫開始

  • 暖地で収穫開始
  • 試し掘りで確認
  • 葉の黄変観察

10月

平均気温 15-22℃

📅 上旬

🍠収穫最盛期

  • 中間地・冷涼地収穫
  • 晴天日の収穫作業
  • 丁寧な掘り取り
📅 下旬

📦収穫・保存

  • 収穫後の乾燥
  • 選別・保存準備
  • 追熟処理開始

11月

平均気温 8-15℃

📅 上旬

🍠収穫完了

  • 霜害前に収穫完了
  • 最後の収穫作業
  • 圃場片付け
📅 中旬以降

📦追熟・保存

  • 追熟による糖度向上
  • 適切な保存管理
  • 来年の計画立案

12月

平均気温 3-10℃

📅 全期

📝保存・計画

  • 長期保存管理
  • 来年度品種選定
  • 栽培記録整理

1月

平均気温 0-8℃

📅 全期

📝計画・準備期間

  • 翌年栽培計画立案
  • 挿し苗業者の選定
  • 栽培知識・技術習得

2月

平均気温 1-10℃

📅 全期

📋準備期間

  • 栽培計画の詳細検討
  • 資材・道具の準備
  • 圃場の選定・準備

3月

平均気温 5-15℃

📅 下旬

🚜圃場準備

  • 畑の土づくり開始
  • 堆肥施用・土壌改良
  • 挿し苗注文確認

さつまいもの栄養価と健康効果

さつまいもは「準完全栄養食品」とも呼ばれる栄養豊富な野菜です。ベータカロチンは野菜トップクラス、食物繊維も豊富で健康維持に最適。自然な甘味で子供にも人気の健康野菜です。

🍠 さつまいも(100gあたり)

ベータカロチン
23000μg
食物繊維
2.3g
ビタミンC
29mg
カリウム
470mg
効果:骨粗鬆症予防、貧血改善、免疫力向上

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よくある質問

A.5月中旬から6月中旬が最適です。地温が18℃以上になり、霜の心配がなくなってから植付けます。関東では5月中旬、北海道・東北では6月上旬以降が目安です。

A.葉っぱが黄色く変色し始めたら収穫のサインです。植え付けから110-150日が目安で、霜が降りる前に収穫を完了します。試し掘りでいもの大きさを確認することも大切です。

A.深さ30cm以上の大型プランターを使用し、排水性の良い培養土で栽培します。株間を40cm以上空け、つる返し作業を忘れずに行うことが成功のポイントです。

A.つる返しは地面に根を張ったつるを反転させ、余分な根を除去していも肥大を促進する重要作業です。月1-2回、つるを持ち上げて地面から離すことで、栄養をいもに集中させます。

A.茎が太くてしなやかで、葉が5-6枚ついている健康な苗を選びます。葉が厚くて濃い緑色をしているものが元気な証拠です。長さは30-40cmの挿し苗が理想的です。

A.追熟は収穫後にさつまいもを保存して甘味を増加させる方法です。収穫後表面を乾かし、新聞紙に包んで15-20℃の場所で2週間程度保存すると糖度が向上します。

A.①肥料のやりすぎ→つるばかり伸びていもが育たない ②つる返し不足→いもが小さいまま ③早すぎる収穫→甘味不足 ④霜害→収穫時期の遅れ。これらに注意して栽培しましょう。

A.はい、さつまいもはやせた土地でも良く育つ強健な作物です。むしろ肥料が多すぎると葉ばかり茂ってイモが育ちません。適度な有機物と排水の良い土壌であれば十分栽培可能です。