人参 種 蒔き時期|人参の育て方・栽培方法・間引き完全ガイド

【2025年版】人参 種 蒔き時期を季節別に徹底解説!人参栽培の成功は種蒔きタイミングがカギ。春蒔き・夏蒔き・秋蒔きの最適時期から、土づくり、2回の間引き、収穫時期まで詳しく解説。

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人参 種 蒔き時期|人参の育て方・栽培方法・間引き完全ガイド
栽培難易度
中級者向け
📅
栽培期間
90-120日
🌤️
最適季節
春・夏・秋まき
💪
栄養価
ベータカロテン・食物繊維・ビタミンA豊富
土づくり・種まき
土づくり・種まき
好光性種子・薄く覆土
発芽・間引き
発芽・間引き
2回の間引きで調整
生育・土寄せ
生育・土寄せ
根の露出を防ぐ
収穫
収穫
葉を切って保存

人参栽培の詳細ステップ

土づくり・pH調整
1

土づくり・pH調整

種まき2週間前

深さ20-25cmまで耕起し、pH6.0-7.0に調整。完熟堆肥を施用し、水はけの良い土壌を作る

苦土石灰でpH調整(酸性土壌は生育不良)
完熟堆肥2-3kg/㎡施用
深さ20-25cmまでよく耕す
石や硬い塊は取り除く
水はけの良い高畝にする

土壌準備の良し悪しが根の形状を決定

種まき(最重要)
2

種まき(最重要)

3-4月/7-8月

発芽が栽培成功の鍵。好光性種子のため覆土は薄く、発芽まで絶対に乾燥させない

条間15-20cmで条まき
種は1-2cm間隔で1-2粒
覆土は5mm程度と薄く
種まき後手で軽く鎮圧
不織布で被覆し保湿

発芽まで土を乾燥させないことが最重要

発芽・水管理
3

発芽・水管理

種まき後7-10日

発芽まで土の湿潤状態を保つ。人参の種は吸水力が弱いため乾燥は厳禁

発芽適温15-25℃
毎日水やりで湿潤維持
不織布被覆で乾燥防止
発芽後は徐々に水を控える
発芽率50-70%が一般的

発芽するまでが最も難しい・乾燥厳禁

1回目間引き
4

1回目間引き

本葉2-3枚

込み合った部分を間引き、株間6cm程度に調整。元気な株を残す

本葉2-3枚で実施
株間6cmに調整
生育の悪い株を除去
間引き菜は食用可
間引き後軽く土寄せ

適切な株間で根の肥大を促進

2回目間引き・追肥
5

2回目間引き・追肥

本葉5-6枚

最終的な株間10-12cmに調整。追肥を施し、土寄せで緑化防止

本葉5-6枚で実施
株間10-12cmに最終調整
化成肥料30g/㎡追肥
土寄せで根の露出防止
除草も同時に実施

最終株間の確保と土寄せが品質を決定

収穫・保存
6

収穫・保存

種まき後90-120日

根の肩が4-5cmになったら収穫適期。葉を切り落として保存性向上

根の肩が4-5cmで収穫
試し掘りで太さ確認
スコップで周囲を掘る
収穫後すぐ葉を切る
土付きのまま保存

収穫遅れは品質低下・葉は必ず切る

🥕人参収穫タイミング【見極め方法】

根の太さと栽培日数で判断する最適な収穫時期

人参の収穫時期は根の直径が最重要指標です。種まきから90-120日、地上に見える根の肩部分が直径4-5cmになったら収穫適期。試し掘りで確認することが美味しい人参収穫の秘訣です。

収穫タイミング判断基準

早期収穫(ミニ人参)の状態

早期収穫(ミニ人参)

ミニ人参品質
直径2-3cm・長さ10-15cm
  • 種まきから60-80日
  • 葉がまだ青々している
  • 皮が薄く柔らかい
  • 生食に最適
  • 保存期間は短い

サラダ用に早期収穫可

収穫適期の状態

収穫適期

最高品質
直径4-5cm・長さ15-20cm
  • 種まきから90-120日
  • 根の肩が4-5cm
  • オレンジ色が濃い
  • 甘味が充実
  • 保存性が良い

収穫開始・長期保存可能

収穫遅れ・品質低下の状態

収穫遅れ・品質低下

品質低下
直径5cm以上
  • 種まきから130日以上
  • 根が硬くなる
  • 裂根しやすい
  • 味が落ちる
  • 繊維質が増える

早急に収穫必要

品種別収穫時期の見極め

五寸人参(標準)

収穫期間:種まき後110-120日
特徴:

最も一般的な品種。根長15-20cm、直径4-5cmが収穫適期。甘味があり保存性良好

コツ:

根の肩が地上に出て太さを確認。試し掘りで判断するのが確実

三寸人参(ミニ)

収穫期間:種まき後80-90日
特徴:

小型品種で早生。根長10-12cm、プランター栽培に最適

コツ:

早めの収穫で柔らかさを活かす。生食やサラダに最適

金時人参(京人参)

収穫期間:種まき後120-130日
特徴:

関西地方の伝統品種。鮮やかな赤色で甘味が強い

コツ:

通常の人参より長めの栽培期間。正月料理に人気

収穫タイミングのよくある失敗

⚠️収穫が遅すぎる

問題:

根が硬くなり、裂根や味の低下が発生

解決策:

種まきから110-120日を目安に、試し掘りで確認してから収穫

⚠️葉付きのまま保存

問題:

葉が水分を奪い、根が柔らかくなる

解決策:

収穫したらすぐに葉を根元から切り落とす

⚠️土を掘らずに無理に引き抜く

問題:

根が折れたり、傷ついて保存性が悪化

解決策:

スコップで周囲を掘ってから丁寧に引き抜く

季節別収穫タイミング

春まき収穫(7-8月)

気候条件:高温期・裂根注意
収穫のコツ:

高温で裂根しやすいため、収穫適期になったら一気に収穫

夏まき収穫(11-12月)

気候条件:冷涼期・最高品質
収穫のコツ:

低温で甘味が増す最適期。霜に当たる前に収穫完了

📅人参種まき時期・収穫時期

最適な栽培時期

夏まき栽培(7-8月種まき→11-12月収穫)が最も成功しやすい。発芽適温15-25℃で、冷涼な気候を好むため秋冬収穫が高品質です。

春まき栽培

種まき時期3月中旬-4月下旬
発芽時期4月上旬-5月中旬
収穫時期7月上旬-8月下旬
発芽適温15-25℃
栽培期間約90-110日
特徴:

トウ立ちに注意が必要。早まきは避け、本葉3-5枚で10℃以下にあわないよう管理。高温期の収穫で裂根しやすい。

夏まき栽培(推奨)

種まき時期7月上旬-8月下旬
発芽時期7月中旬-9月上旬
収穫時期10月下旬-12月下旬
発芽適温15-25℃
栽培期間約100-120日
特徴:

最も作りやすい作型。冷涼な秋冬に生育し、甘味が増して高品質。病害虫も少なく初心者に最適。

⚠️重要なポイント

  • 発芽が最重要・好光性種子のため覆土は薄く(5mm程度)
  • 発芽まで絶対に土を乾燥させない・不織布被覆が効果的
  • 発芽適温15-25℃の厳守・8-30℃でも発芽可能
  • 間引き2回実施で適切な株間確保(最終10-12cm)
  • 土寄せで根の緑化防止・品質保持

地域別栽培時期

栽培地域マップ

北海道・東北地方(冷涼地)

春まき時期5月上旬-5月下旬
夏まき時期6月下旬-7月中旬
収穫時期8月下旬-10月下旬
ポイント:

短い夏を活用した栽培。早生品種を選択し、初霜前に収穫完了。

関東・甲信越地方(中間地)

春まき時期3月中旬-4月中旬
夏まき時期7月中旬-8月中旬
秋まき時期9月上旬-9月下旬
ポイント:

夏まきが最適。最近の猛暑で7-8月の発芽が困難な場合は9月播種も検討。

東海・関西・中国・四国地方(暖地)

春まき時期3月上旬-4月上旬
夏まき時期7月下旬-8月下旬
秋まき時期9月中旬-10月上旬
ポイント:

高温対策が重要。遮光ネットや寒冷紗で発芽率向上。金時人参の栽培適地。

九州・沖縄地方(亜熱帯地)

春まき時期2月下旬-3月下旬
夏まき時期8月上旬-9月上旬
秋冬まき時期10月上旬-11月上旬
ポイント:

冬でも栽培可能。高温多湿対策と台風対策が栽培のポイント。

人参栽培年間スケジュール

1月

平均気温 0-8℃

📅 全期

📝計画・準備期間

  • 栽培計画立案
  • 品種選定・種子購入
  • 資材準備

2月

平均気温 1-10℃

📅 下旬

🌱暖地春まき準備

  • 九州・暖地で土づくり
  • pH調整(6.0-7.0)
  • 堆肥施用

3月

平均気温 5-15℃

📅 上旬-中旬

🚜春まき土づくり

  • 苦土石灰でpH調整
  • 完熟堆肥施用
  • 深さ20-25cm耕起
📅 中旬-下旬

🌱春まき種まき

  • 条間15-20cmで播種
  • 覆土5mm薄く
  • 不織布被覆で保湿

4月

平均気温 12-18℃

📅 上旬-中旬

🌿発芽・1回目間引き

  • 発芽確認(7-10日)
  • 本葉2-3枚で間引き
  • 株間6cmに調整
📅 下旬

✂️2回目間引き

  • 本葉5-6枚で間引き
  • 株間10-12cmに
  • 追肥・土寄せ

5月

平均気温 15-22℃

📅 全期

🌿生育管理

  • 除草・中耕
  • 土寄せで緑化防止
  • 病害虫観察

6月

平均気温 18-25℃

📅 全期

🥕肥大期管理

  • 根の肥大開始
  • 土寄せ継続
  • 乾燥時の灌水

7月

平均気温 22-28℃

📅 上旬

🥕春まき収穫開始

  • 根径4-5cm確認
  • 試し掘りで判断
  • 葉を切って保存
📅 中旬-下旬

🌱夏まき種まき

  • 遮光ネット使用
  • 発芽まで保湿徹底
  • 高温対策実施

8月

平均気温 25-30℃

📅 上旬-中旬

🌱夏まき継続

  • 遅まき実施
  • 寒冷紗被覆
  • 乾燥防止管理
📅 下旬

🌿夏まき発芽

  • 発芽確認
  • 1回目間引き準備
  • 病害虫防除

9月

平均気温 20-26℃

📅 上旬

✂️間引き作業

  • 1回目間引き実施
  • 株間6cmに調整
  • 追肥実施
📅 中旬-下旬

✂️2回目間引き

  • 最終間引き
  • 株間10-12cm確保
  • 土寄せ実施

10月

平均気温 15-22℃

📅 全期

🥕肥大期管理

  • 根の肥大最盛期
  • 土寄せ継続
  • 収穫準備開始

11月

平均気温 8-15℃

📅 全期

🥕夏まき収穫

  • 根径4-5cm確認
  • 甘味最高の時期
  • 霜害前に収穫

12月

平均気温 3-10℃

📅 上旬

🥕収穫完了

  • 最終収穫
  • 長期保存処理
  • 圃場片付け
📅 下旬

📝次年度準備

  • 栽培記録整理
  • 品種検討
  • 資材確認

人参の栄養価と健康効果

人参は緑黄色野菜の王様と呼ばれる栄養豊富な野菜です。ベータカロテンは野菜の中でトップクラスの含有量を誇り、体内でビタミンAに変換されて視力維持や免疫力向上に貢献します。

🥕 人参(100gあたり)

ベータカロテン
8600μg
食物繊維
2.8g
カリウム
300mg
ビタミンA(レチノール活性当量)
720μg
効果:骨粗鬆症予防、貧血改善、免疫力向上

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よくある質問

A.夏まき(7-8月)が最も成功しやすく、11-12月に収穫できます。春まき(3-4月)も可能ですが、トウ立ちに注意が必要です。冷涼な気候を好むため、秋冬収穫の方が甘味が増します。

A.人参は好光性種子なので覆土は5mm程度と薄くし、発芽まで絶対に土を乾燥させないことが最重要です。不織布を被せて保湿し、毎日水やりをすることで発芽率が向上します。

A.種まきから90-120日、地上に見える根の肩部分が直径4-5cmになったら収穫適期です。試し掘りで1本抜いて太さを確認するのが確実。収穫が遅れると硬くなり裂根しやすくなります。

A.深さ30cm以上のプランターなら五寸人参も栽培可能です。三寸人参なら深さ20cmでもOK。市販の野菜用培養土を使い、種まき後の乾燥に特に注意してください。

A.間引きをしないと根が太らず、変形したり小さいままになります。2回に分けて間引き、最終的に株間10-12cmにすることで、太くまっすぐな人参が育ちます。

A.土中の石や未熟な堆肥、土が硬い、肥料の塊などが原因です。種まき前に深く耕し、石を取り除き、完熟堆肥を使用することで防げます。

A.キアゲハの幼虫やヨトウムシが主な害虫です。防虫ネットや寒冷紗で覆うのが最も効果的。キアゲハの幼虫は見つけ次第、割り箸で取り除きます。

A.収穫後すぐに葉を切り落とし、土付きのまま新聞紙に包んで冷暗所で保存。葉を付けたままだと根の水分が奪われて柔らかくなってしまいます。