じゃがいも栽培ガイド

【2025年版】初心者でも失敗知らず!種いも植付から収穫まで、春植え・秋植え栽培の完全マニュアル。

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じゃがいも栽培ガイド
栽培難易度
初心者向け
📅
栽培期間
90-120日
🌤️
最適季節
春・秋
💪
栄養価
ビタミンC・カリウム・でんぷん豊富
土壌準備・種いも植付
土壌準備・種いも植付
弱酸性土壌で種いも植付
発芽・芽かき
発芽・芽かき
草丈15-20cmで芽かき
土寄せ・追肥
土寄せ・追肥
半培土と本培土で肥大促進
収穫
収穫
晴天日に掘り上げ

じゃがいも栽培の詳細ステップ

種いも準備と浴光催芽
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種いも準備と浴光催芽

植付2-3週間前

栽培成功の第一歩は良質な種いもの選択と浴光催芽。食用いもは病気リスクが高いため必ず検査済み種いもを使用

認定種いも使用・食用いもは病気発生リスク高
元気で充実した重量感のある種いも選別
日光に当て2-3週間かけて芽出し実施
新聞紙敷いて間隔を空けて配置
緑がかった短く太い芽が理想的

種いもの品質が収量と品質を決定・認定種いも必須

土づくり・種いもカット
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土づくり・種いもカット

植付1週間前

pH5.5-6.0の弱酸性土壌作りと適切な種いもカット。大きさにより切り方を調整し、切り口乾燥が重要

pH5.5-6.0弱酸性・石灰控えめ施用
有機堆肥2-3kg/㎡・元肥少なめ
40-60g小イモ→そのまま植付
60-120g→半分切り、120g以上→3-4つ切り
切り口を1-2日乾燥させ腐敗防止

切り口乾燥で腐敗防止・小イモは切らずに植付

植え付け・覆土
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植え付け・覆土

3-4月(春植え)

適切な深さ・株間での植付と覆土。晩霜害の恐れがない限り早めの植付で安定発芽を促す

深さ10-15cm・株間30cm・畝幅60cm
覆土5-6cm・うねを盛り上がり気味に
プランター栽培は8-10cm厚く覆土
切り口を下にして芽を上向きに
晩霜害注意・早めの植付推奨

適切な深さと覆土で発芽環境を整備・霜害対策重要

発芽・芽かき
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発芽・芽かき

植付後3-4週間

発芽後の芽数調整で収量アップ。1株あたり1-2本の丈夫な芽を残し、弱い芽を除去

草丈10-15cmで芽かき実施
1株あたり太い芽1-2本残し
弱い芽・細い芽を根元から除去
芽かき時に根を傷めないよう注意
芽かき後軽く土寄せ実施

適切な芽数調整が大玉収穫のカギ・根を傷めず慎重に

1回目土寄せ・追肥
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1回目土寄せ・追肥

芽かき後すぐ

芽かき後の土寄せでいも緑化防止と根張り促進。株元に5cm程度の土寄せで安定栽培

芽かき直後に根元5cm土寄せ
化成肥料10-15g/株追肥
種いも露出防止が最重要
株元中心に丁寧に土寄せ
土寄せ後軽く表面をならす

種いも露出防止で緑化・ソラニン生成を阻止

2回目土寄せ・追肥
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2回目土寄せ・追肥

草丈30cm・開花期

開花期の大規模土寄せでいも肥大促進。10-15cm土寄せでいも品質向上と収量確保

草丈30cm・花芽確認後実施
株元に10-15cm大きく土寄せ
化成肥料15-20g/株追肥
いも肥大期の重要な作業
高い畝状にして排水性向上

開花期土寄せでいも肥大促進・収量品質向上効果大

管理・病害虫対策
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管理・病害虫対策

生育期間中継続

安定収穫のための日常管理。適切な水やりと病害虫の早期発見・対策で健全育成

乾燥時のみ根元への水やり
葉面への水やりは病気発生リスク
アブラムシ・コガネムシ幼虫注意
疫病予防で風通し良好維持
黄変葉・病斑葉の早期除去

過湿避け・病害虫早期発見で安定栽培・予防重視

収穫・保存
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収穫・保存

植付100-120日後

茎葉枯死確認後の適期収穫と正しい保存方法。収穫タイミングと扱い方が保存性を決定

茎葉80%枯死で収穫開始
晴天続きの日に収穫作業
傷つけず丁寧に掘り上げ
収穫後土払い程度・洗わない
冷暗所10-15℃で長期保存

適期収穫・丁寧な扱いで長期保存・緑化防止徹底

🥔じゃがいも収穫タイミング【見極め方法】

茎葉の枯れ具合と試し掘りで判断する最適な収穫時期

じゃがいもの収穫時期は茎葉の枯れ具合が最重要指標です。植え付けから約100日、茎葉が50%以上枯れた頃が収穫適期。品種や気候で変動するため、試し掘りで確認することが美味しいじゃがいも収穫の秘訣です。

収穫タイミング判断基準

新じゃが収穫(早期)の状態

新じゃが収穫(早期)

新じゃが品質
直径3-5cm・重量40-80g
  • 茎葉がまだ青々としている
  • 皮が薄くて剥けやすい
  • みずみずしい食感
  • 保存期間は短い
  • 植え付けから70-80日

早期消費・調理用

収穫適期の状態

収穫適期

最高品質
直径5-8cm・重量80-150g
  • 茎葉が50-70%枯れている
  • いもの皮が厚くなり硬い
  • でんぷん質が充実
  • 試し掘りで確認済み
  • 植え付けから90-100日

収穫開始・長期保存可能

完熟期(推奨)の状態

完熟期(推奨)

最高保存品質
直径6-9cm・重量100-200g
  • 茎葉が80%以上枯れている
  • 皮を爪でこすっても剥けない
  • いもが充分に肥大している
  • 保存性が最も高い
  • 植え付けから100-110日

最適収穫タイミング

収穫限界・緑化注意の状態

収穫限界・緑化注意

品質低下・要注意
サイズ問わず
  • いもの一部が緑色に変色
  • 土寄せ不足で地表に露出
  • ソラニン発生のリスク
  • 日光による品質劣化
  • 食味・安全性の問題

緊急収穫・緑化部分除去

収穫遅れ・腐敗発生の状態

収穫遅れ・腐敗発生

食用不適
サイズ問わず
  • いもが軟化・腐敗している
  • 病害菌に侵されている
  • 異臭が発生している
  • 食用として不適
  • 周囲への病害拡散リスク

廃棄または堆肥化

気温高・割れ注意の状態

気温高・割れ注意

過大化リスク
直径10cm以上・重量250g以上
  • 気温が高く茎葉が枯れない
  • いもが大きくなりすぎている
  • 割れや変形のリスク
  • 試し掘りで肥大確認
  • 暦上は収穫時期

茎葉が青くても早期収穫

品種別収穫時期の見極め

男爵いも(早生)

収穫期間:植付後90-100日
特徴:

丸形で白い果肉、でんぷん含有量15%と高くホクホク食感。目が深く、日本の代表品種として人気

コツ:

茎葉が7割枯れたら試し掘り開始。皮が薄く傷つきやすいので丁寧に扱う。コロッケやポテトサラダに最適

メークイン(中生)

収穫期間:植付後100-110日
特徴:

つるりとした長卵形で目が浅い。果肉色は黄白色、しっとりきめ細かい粘質で煮崩れしにくい

コツ:

茎葉が完全に枯れるまで待つのがコツ。皮が厚く長期保存に適している。煮物・カレーに最適

キタアカリ(早生)

収穫期間:植付後85-95日
特徴:

扁球形で皮は黄色、目の部分が赤紫色。果肉は濃い黄色でビタミンC豊富、男爵より高でんぷん

コツ:

休眠期間が短く最も作りやすい。早期収穫可能だが皮が薄いため収穫後は早めに消費。ふかしいもに最適

とうや(中早生)

収穫期間:植付後95-105日
特徴:

皮が滑らかで目が浅い。煮崩れしにくく、甘みがある。病気に強く栽培しやすい

コツ:

茎葉が8割枯れた頃が収穫適期。皮が薄めなので丁寧に扱う。煮物・炒め物に適している

収穫タイミングのよくある失敗

⚠️茎葉が青いまま収穫

問題:

いもが未熟で皮が薄く、でんぷん質が不十分

解決策:

茎葉が80%以上枯れるまで待つ。急がずじっくり完熟を待つ

⚠️収穫時期の見極め不足

問題:

試し掘りせず、茎葉だけで判断して早期収穫

解決策:

必ず試し掘りでいもの状態を確認。皮の硬さをチェック

⚠️緑化したいもを見逃す

問題:

土寄せ不足でいもが地表に露出し緑化発生

解決策:

栽培期間中の土寄せを徹底。緑化部分は必ず除去

⚠️収穫後の扱いが雑

問題:

収穫時にいもを傷つけ、保存性が劣化

解決策:

丁寧に掘り上げ、土を払う程度に留める。洗わずに保存

季節別収穫タイミング

春植え収穫(6-7月)

気候条件:梅雨期・高温多湿期
収穫のコツ:

梅雨前の収穫を心がける。湿害を避け、晴天続きの日に収穫作業

秋植え収穫(11-12月)

気候条件:低温・乾燥期
収穫のコツ:

霜害前に収穫完了。低温で糖度が上がり最高品質期。保存性も良好

📅じゃがいも植え付け時期・収穫時期

最適な栽培時期

春植え栽培(3-4月植付→6-7月収穫)が初心者に最もおすすめ。土壌温度7℃以上・発芽適温15-20℃で安定栽培が可能です。

春植え栽培(推奨)

植え付け時期3月中旬-4月上旬
発芽時期4月中旬-5月上旬
収穫時期6月下旬-7月下旬
発芽適温15-20℃
栽培期間約3-4ヶ月
特徴:

最も作りやすい作型。安定した気温で発芽し、梅雨前に収穫できるため病害リスクが低い。初心者に最適で失敗が少ない。

秋植え栽培

植え付け時期8月下旬-9月中旬
発芽時期9月中旬-10月上旬
収穫時期11月下旬-12月下旬
発芽適温15-20℃
栽培期間約3-4ヶ月
特徴:

冷涼期での栽培で高品質いも生産。糖度が高く美味しいが、温度管理と霜害対策が必要で中級者向け。

⚠️重要なポイント

  • 発芽適温15-20℃の厳守が栽培成功率を決定する最重要ファクター
  • 種いもは2つ切りで切り口を乾燥させてから植付
  • 土寄せ3回実施でいも緑化防止と肥大促進
  • pH5.5-6.0の弱酸性土壌が最適
  • 連作障害回避のため3-4年間隔を空ける

地域別栽培時期

栽培地域マップ

北海道・東北地方(冷涼地)

春植え時期4月下旬-5月中旬
春植え収穫8月上旬-9月上旬
秋植え適さない(霜害リスク)
ポイント:

冷涼な気候を活かした高品質じゃがいも栽培。春植え中心で、長い生育期間により大きないもが収穫できる。

関東・甲信越地方(中間地)

春植え時期3月中旬-4月上旬
春植え収穫6月下旬-7月下旬
秋植え時期8月下旬-9月中旬
秋植え収穫11月下旬-12月下旬
ポイント:

年間2作可能な最適地域。春植え・秋植え両作型で安定収穫。梅雨期の湿害対策が栽培成功のポイント。

東海・関西・中国・四国地方(暖地)

春植え時期2月下旬-3月下旬
春植え収穫5月下旬-6月下旬
秋植え時期8月下旬-9月上旬
秋植え収穫11月中旬-12月中旬
ポイント:

早植え・早収穫が可能な温暖地域。春は早めの植付で梅雨前収穫が成功のカギ。秋植えは適期が短く温度管理重要。

九州・沖縄地方(亜熱帯地)

春植え時期2月上旬-3月上旬
春植え収穫5月上旬-6月上旬
秋植え時期9月上旬-9月下旬
秋植え収穫12月上旬-1月上旬
ポイント:

高温多湿の気候で病害虫対策が重要。春植えは超早植えで高温期前に収穫完了。秋植えは台風・病害対策必須。

じゃがいも栽培年間スケジュール

2月

平均気温 5-10℃

📅 下旬

🥔種いも準備開始

  • 認定種いも購入・品種選定
  • 浴光催芽開始(2-3週間)
  • 暖地では植付準備開始

3月

平均気温 8-15℃

📅 上旬

🚜春植え土づくり

  • 畑の土づくり・pH調整
  • 堆肥2-3kg/㎡施用
  • 元肥控えめに施用
📅 中旬-下旬

🌱春植え植付

  • 種いも植付(深さ10-15cm)
  • 株間30cm・畝幅60cm
  • 覆土5-6cm・軽く土寄せ

4月

平均気温 12-18℃

📅 上旬

🌱冷涼地植付

  • 北海道・東北地方植付開始
  • 遅霜対策・べたがけ準備
  • 土壌温度7℃以上確認
📅 中旬-下旬

🌿発芽・初期管理

  • 発芽確認・生育状況観察
  • 除草・軽い中耕作業
  • 芽かき準備(草丈10-15cm)

5月

平均気温 15-22℃

📅 上旬-中旬

✂️芽かき・1回目土寄せ

  • 芽かき実施(1-2本残し)
  • 1回目土寄せ(5cm程度)
  • 化成肥料10-15g/株追肥
📅 下旬

🌿生育管理

  • 病害虫防除・観察
  • 乾燥時の水やり
  • 暖地では収穫開始準備

6月

平均気温 18-25℃

📅 上旬

🌸2回目土寄せ・開花

  • 開花期・2回目土寄せ(10-15cm)
  • 化成肥料15-20g/株追肥
  • いも肥大期の重要管理
📅 下旬

🥔早期収穫開始

  • 暖地・中間地収穫開始
  • 試し掘りで成熟確認
  • 晴天日の収穫作業

7月

平均気温 22-28℃

📅 上旬-中旬

🥔春植え収穫最盛期

  • 茎葉枯死80%で収穫適期
  • 梅雨前の収穫完了
  • 収穫後保存・乾燥処理
📅 下旬

📋秋植え準備

  • 秋植え用種いも準備
  • 圃場整備・土壌改良
  • 連作回避・輪作計画

8月

平均気温 25-30℃

📅 中旬

🚜秋植え土づくり

  • 畑の準備・pH調整
  • 有機堆肥施用
  • 排水対策・畝立て
📅 下旬

🌱秋植え植付

  • 秋植え種いも植付開始
  • 小イモは切らずに植付
  • 高温対策・腐敗防止

9月

平均気温 20-26℃

📅 上旬

🌱秋植え植付完了

  • 遅れずに植付完了
  • 適期逃さず作業
  • 発芽促進・温度管理
📅 中旬-下旬

🌿発芽・初期管理

  • 発芽確認・生育観察
  • 芽かき準備
  • 台風・長雨対策

10月

平均気温 15-22℃

📅 上旬

✂️芽かき・土寄せ

  • 芽かき実施
  • 1回目土寄せ・追肥
  • 病害虫防除
📅 下旬

🌿肥大期管理

  • 2回目土寄せ・追肥
  • 開花期の重要管理
  • 霜害対策準備

11月

平均気温 8-15℃

📅 中旬

👀収穫前管理

  • 茎葉枯死状況観察
  • 試し掘りで成熟確認
  • 霜害前収穫準備
📅 下旬

🥔秋植え収穫開始

  • 茎葉80%枯死で収穫
  • 晴天続きの日選択
  • 低温糖度向上期

12月

平均気温 3-10℃

📅 上旬-中旬

🥔秋植え収穫完了

  • 霜害前に収穫完了
  • 最高品質期の収穫
  • 長期保存用処理
📅 下旬

📋次年度準備

  • 来年の栽培計画
  • 圃場整備・土壌改良
  • 種いも保存・選別

1月

平均気温 0-8℃

📅 全期

📝計画・準備期間

  • 翌年栽培計画立案
  • 種いも品種選定・注文
  • 栽培知識・技術習得

じゃがいもの栄養価と健康効果

じゃがいもは「大地のりんご」と称される栄養豊富な野菜です。ビタミンCはみかんと同等、カリウムは野菜トップクラスの含有量。でんぷん質により持続的なエネルギー源としても優秀で、健康維持に最適な野菜です。

🥔 じゃがいも(100gあたり)

ビタミンC
28mg
カリウム
410mg
食物繊維
1.3g
でんぷん
約13g
効果:骨粗鬆症予防、貧血改善、免疫力向上

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よくある質問

A.春植え(3月中旬-4月上旬)が初心者におすすめです。発芽適温15-20℃が確保しやすく、梅雨前に収穫できるため病害リスクが低いです。秋植えも可能ですが、霜害対策が必要で中級者向けです。

A.茎葉が80%以上枯れ、試し掘りでいもの皮が硬くなっていれば収穫適期です。皮を爪でこすっても剥けない状態が目安。緑化したいもは食用不適なので注意が必要です。

A.深さ30cm以上の大型プランターを使用し、排水性の良い培養土で栽培します。底石を敷き、種いもは深さ15cmに植付け。土寄せを3回行い、水やりは土が乾いてから根元にたっぷりと与えることが成功のポイントです。

A.芽かきは1つの種いもから出る複数の芽を1-2本に減らし、いもを大きく育てるために必要です。草丈15-20cmの時に、太く勢いのある芽を残し、細い芽を根元から引き抜きます。雨の日は避け、晴天の日に行うのがコツです。

A.緑化したじゃがいもは絶対に食べてはいけません。日光に当たって生成されたソラニンという毒素が含まれており、食中毒の原因となります。緑化防止には栽培中の十分な土寄せが重要です。緑化部分は厚めに皮をむいて除去してください。

A.じゃがいもを同じ場所で連続栽培すると、土壌病害や収量低下が起こります。最低3-4年は間隔を空け、その間にマメ科植物(エンドウ、大豆など)を植えて土壌改良すると効果的です。プランター栽培では毎年新しい培養土を使用しましょう。

A.①早すぎる芽かき→草丈15cm以上になってから実施 ②土寄せ不足→3回に分けて十分な土寄せを行う ③収穫タイミングのミス→茎葉が80%枯れるまで待つ ④水のやりすぎ→土が乾いてから水やり。これらのポイントを守れば失敗を避けられます。

A.食用じゃがいもは病気を持っている可能性が高く、発芽抑制処理もされているため栽培には適しません。必ず検査済みの「種いも」を購入して使用してください。価格は少し高めですが、病気のリスクが低く、発芽率も高いため確実に栽培を成功させることができます。