冬の代表野菜、白菜を育てよう

種まき時期から結球のコツまで、失敗しない白菜の育て方

冬の代表野菜、白菜を育てよう

概要

白菜は冬の鍋料理に欠かせない代表的な葉菜類です。結球させるには適期の種まきと管理が重要ですが、成功すれば大きな満足感が得られる野菜です。

栽培難易度
中級者
📅
栽培期間
4-5ヶ月
🌤️
最適季節
秋まき
💪
栄養価
ビタミンK豊富
種まき
種まき
9月10日までに種まき
間引き・育成
間引き・育成
2回の間引きで外葉を充実
結球期
結球期
外葉17-20枚で結球開始
収穫
収穫
結球が固くなったら収穫
結球性野菜
耐寒性強い
保存がきく
鍋料理に最適

白菜栽培の流れ

土づくり・種まき
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土づくり・種まき

8月下旬〜9月上旬

深耕して土づくりを行い、9月上旬(~10日)に株間40-50cmで1カ所5-6粒種まきします。

深耕30cm以上、pH調整
9月10日が絶対期限
発芽適温20-25℃、覆土1cm

⚠️ 種まきが遅れると結球しません。この時期を逃さないことが成功の重要な条件です。

間引き・追肥
2

間引き・追肥

9月下旬〜10月上旬

まず本葉1-2枚時に3本立ちに間引き、その後本葉5-6枚時に1本立ちにします。各段階で追肥を実施します。

1回目:3本立ち(肥料5g/株)
2回目:1本立ち(肥料10g/株)
最も元気な株を残す
土寄せと防虫ネット設置

⚠️ 間引き菜も美味しく食べられます。捨てずに野菜炒めなどに活用しましょう。

結球開始
3

結球開始

10月下旬

外葉17-20枚まで育つと結球が開始します。水分管理が特に重要な時期です。

水切れは絶対に避ける
外葉を大切に育てる
結球開始前の最終追肥

⚠️ 外葉の中心部が少し盛り上がり、内側の葉が立ち上がってきたら結球開始です。

収穫
4

収穫

12月

結球が固くなったら株元から包丁で切り取って収穫します。

手で押して固さを確認
朝の気温が低い時に収穫
外葉も堆肥として活用

栽培スケジュール早見表

白菜栽培の重要時期と気温の関係を一目で確認できます。

種まき期間

8月下旬〜9月10日

気温20-25℃

絶対期限:9月10日まで

外葉育成期

9月〜10月

気温15-20℃

間引き・追肥の重要時期

結球開始期

10月下旬〜11月

気温10-15℃

結球成功の分かれ目

収穫期

12月〜2月

気温0-10℃

霜で甘みが増す

⚠️失敗を避ける重要ポイント

種まき時期の遅れは結球しない最大原因。地域の気候に関係なく9月10日が絶対期限です。

成功のコツ

外葉を17-20枚まで十分育てることで、結球に必要な養分を蓄積できます。

白菜栽培スケジュール詳細

8月

平均気温 26-28℃

📅 下旬

📋土づくり準備

  • 深耕30cm以上、石の除去
  • 苦土石灰 200g/m²散布
  • 堆肥2-3kg/m²投入

9月

平均気温 23-25℃

📅 上旬(〜10日)

🌱種まき

  • 株間40-50cm、深さ1cm
  • 1カ所5-6粒ずつ種まき
  • 発芽適温20-25℃

9月

平均気温 20-23℃

📅 下旬

✂️1回目間引き

  • 本葉1-2枚時に3本立ち
  • 1回目追肥(化成肥料5g/株)
  • 土寄せ実施

10月

平均気温 18-20℃

📅 上旬

🌿2回目間引き

  • 本葉5-6枚時に1本立ち
  • 2回目追肥(化成肥料10g/株)
  • 防虫ネット設置
📅 下旬

🥬結球開始

  • 外葉17-20枚まで育成
  • 結球開始前追肥
  • 水分管理強化

11月

平均気温 13-15℃

📅 全般

💪結球促進

  • 結球部の成長確認
  • 病害虫チェック
  • 適度な水やり継続

12月

平均気温 5-10℃

📅 収穫期

🎯収穫

  • 結球が固くなったら収穫
  • 株元から包丁で切断
  • 外葉は堆肥として利用

📝 重要なポイント

🌡️

温度管理

種まき適温20-25℃、結球開始温度15℃前後

💧

水分管理

結球期は特に水切れ注意、乾湿の差を避ける

✂️

間引きタイミング

2回間引き(本葉1-2枚時、5-6枚時)が重要

🥬

結球促進

外葉を17-20枚まで育て、結球開始前に最終追肥

栽培のコツ - 結球成功の秘訣

白菜栽培で最も重要な「結球させるコツ」と「結球しない原因への対策」を詳しく解説します。

🎯 結球させる3つの絶対条件

理想的な結球

理想的な結球

外葉で内部が包まれている

結球しない状態

結球しない状態

外葉が広がったまま

結球が緩い

⚠️結球が緩い

締まりが不十分

🔑重要ポイント

白菜の結球成功には3つの絶対条件があります。

適期の種まき9月10日までに完了し、15-20℃で外葉を育成。
外葉の充実17-20枚の大きな外葉が結球の養分源となります。
適切な管理株間40-50cm確保と適期追肥で、外葉の成長を最大化します。

結球しない主な原因

種まき時期の遅れ

9月中旬以降の種まきでは気温が低すぎて結球できません。

外葉の成長不足

株間が狭い、日照不足、肥料不足で外葉が育ちません。

害虫による芯の被害

アオムシなどが芯を食べると成長ホルモンが乱れます。

肥料のアンバランス

窒素過多で葉ばかり茂る、リン酸不足で結球しません。

結球しない時の緊急対策

外葉を紐で束ねる

11月に入っても結球しない場合、外葉を軽く束ねて内部温度を保ちます。

即効性肥料の施用

液体肥料を薄めて水やり代わりに与え、結球を促進します。

防寒対策の実施

不織布や寒冷紗で覆い、気温を1-2℃上げて結球を助けます。

諦める判断も重要

12月になっても結球しない場合は春まで待ち、菜の花として収穫しましょう。

病害虫対策

白菜は害虫の被害を受けやすい野菜です。早期発見・早期対策で健康な白菜を育てましょう。

青虫(アオムシ)

🐛青虫(アオムシ)

症状:

症状: 葉に大きな食害跡、芯を食害すると致命的

対策: 手取り除去、BT菌農薬、防虫ネット

アブラムシ

🐜アブラムシ

症状:

症状: 葉裏に群生、汁を吸って生育阻害

対策: 防虫ネット、天敵利用、粘着テープ除去

ヨトウムシ

🌙ヨトウムシ

症状:

症状: 夜間に活動、株元を食害

対策: 夜間見回り、誘殺灯、株元の除草

根こぶ病

🦋根こぶ病

症状:

症状: 根にこぶ、地上部の萎れ

対策: 土壌pH調整、輪作、抵抗性品種

軟腐病

💧軟腐病

症状:

症状: 株元が腐敗、悪臭を発生

対策: 排水改善、密植回避、傷口の保護

べと病

🍃べと病

症状:

症状: 葉に黄色斑点、裏面に白いカビ

対策: 風通し改善、葉面散水回避

防虫ネット

🛡️防虫ネット

症状:

種まき直後から設置し、害虫の侵入を物理的に防止

有機農薬の活用

💊有機農薬の活用

症状:

BT菌、ニーム、石鹸水など環境に優しい防除

健康な株作り

💪健康な株作り

症状:

適切な栄養管理で病害虫に負けない強い株を育成

📝 重要なポイント

🔍

早期発見

毎日の観察で初期段階での発見を心がけましょう

🛡️

予防重視

防虫ネットや適切な栽培環境で予防対策を徹底

🌿

天敵利用

化学薬剤に頼らず自然の天敵を活用した防除

💨

通風確保

株間を適切に保ち風通しを良くして病気を予防

プランター栽培ガイド

🏠 プランター栽培なら害虫の発見・対処が容易で、移動可能なため天候に応じた管理ができます。少量多品種の栽培が可能で、無農薬栽培もしやすく、初心者でも安心して本格的なミニ白菜を育てられます。

🏺 準備するもの

プランター選び
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プランター選び

幅65cm×深さ20cm以上、容量15L以上のプランターを選び、排水穴がしっかりあることを確認。2株同時栽培が可能で効率的。

  • 深さが重要、根の成長に影響
品種選択
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品種選択

プランター向けのミニ白菜品種を選択。CRお黄にいり(極早生)、黄ごころ65(初心者向け)がおすすめ。収穫まで40-50日と短期間で楽しめる。

  • 初心者は極早生品種がおすすめ
土と肥料・植えつけ
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土と肥料・植えつけ

野菜用培養土12-15L、元肥入りがおすすめ。9月上旬までに中央へ1cm深の穴を作り3-4粒点まき

  • 9月10日までに必ず種まきを完了
間引き
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間引き

9-10月の間引き作業。本葉2枚の時点で2本立ちに、本葉4枚になったら元気な1本を残して間引く。成長を促進し結球を助ける重要な作業。

  • 間引き後は必ず液肥を与える
育成管理
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育成管理

10-11月の育成期管理。土の表面が乾いたらたっぷりと水やり。外葉が充実してくる時期なので、水分管理と日光を十分に当てることが大切。

  • 水やりは朝夕の涼しい時間帯が理想的
収穫
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収穫

11-12月の収穫期。結球が手で押して固くなったら収穫のタイミング。ミニ白菜なら種まきから約60日程度で収穫可能。根元から包丁で切り取る。

  • 朝の涼しい時間に収穫すると鮮度が保てる

🏺プランター栽培成功のポイント

プランター選び
深さ30cm以上の大型プランターで根がしっかり育つ環境を作る

水管理
土の表面が乾いたらたっぷり水やり。過湿は根腐れの原因に

追肥のタイミング
間引き後と結球開始前の2回、液肥で栄養補給

白菜の栄養価と効果

白菜は低カロリーで食物繊維とビタミンCが豊富な健康野菜です

🥬 白菜(100gあたり)

ビタミンC
19mg
食物繊維
1.3g
カリウム
220mg
カルシウム
43mg
葉酸
61μg
効果:骨粗鬆症予防、貧血改善、免疫力向上

よくある質問

A.主な原因は①種まき時期の遅れ(9月10日以降)、②外葉の育成不足(15-17枚未満)、③株間が狭すぎる、④肥料のバランス不良、⑤温度条件不適合(15℃前後が必要)です。緊急対策として11月中旬に外葉を束ねる「結束処理」で内部温度を上げることができます。

A.8月下旬から9月10日までが絶対期限です。どの地域でも9月10日以降では確実な結球は期待できません。発芽適温は20-25℃、生育適温は15-20℃です。種まき前に10日間の天気予報を確認し、極端な高温が続く場合は1週間程度調整しましょう。

A.①結球の固さ(手で押して適度な弾力)、②外葉の状態(黄色く枯れ始める)、③頭頂部の締まり(しっかり固くなる)の3点で判断します。早めの収穫でも美味しく、遅すぎると裂球の原因になります。

A.ミニ白菜は重量300-500g(普通は2-3kg)、栽培期間90-120日(普通は120-150日)と短期間で育ちます。プランター栽培に適しており、家庭消費にちょうど良いサイズです。結球の基本管理は同じですが、株間30cmでも栽培可能です。

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