概要
白菜は冬の鍋料理に欠かせない代表的な葉菜類です。結球させるには適期の種まきと管理が重要ですが、成功すれば大きな満足感が得られる野菜です。








白菜栽培の流れ

土づくり・種まき
8月下旬〜9月上旬
深耕して土づくりを行い、9月上旬(~10日)に株間40-50cmで1カ所5-6粒種まきします。
⚠️ 種まきが遅れると結球しません。この時期を逃さないことが成功の重要な条件です。

間引き・追肥
9月下旬〜10月上旬
まず本葉1-2枚時に3本立ちに間引き、その後本葉5-6枚時に1本立ちにします。各段階で追肥を実施します。
⚠️ 間引き菜も美味しく食べられます。捨てずに野菜炒めなどに活用しましょう。

結球開始
10月下旬
外葉17-20枚まで育つと結球が開始します。水分管理が特に重要な時期です。
⚠️ 外葉の中心部が少し盛り上がり、内側の葉が立ち上がってきたら結球開始です。

収穫
12月
結球が固くなったら株元から包丁で切り取って収穫します。
栽培スケジュール早見表
白菜栽培の重要時期と気温の関係を一目で確認できます。
種まき期間
8月下旬〜9月10日
気温20-25℃
絶対期限:9月10日まで
外葉育成期
9月〜10月
気温15-20℃
間引き・追肥の重要時期
結球開始期
10月下旬〜11月
気温10-15℃
結球成功の分かれ目
収穫期
12月〜2月
気温0-10℃
霜で甘みが増す
⚠️失敗を避ける重要ポイント
種まき時期の遅れは結球しない最大原因。地域の気候に関係なく9月10日が絶対期限です。
✅成功のコツ
外葉を17-20枚まで十分育てることで、結球に必要な養分を蓄積できます。
白菜栽培スケジュール詳細
8月
平均気温 26-28℃
📋土づくり準備
- •深耕30cm以上、石の除去
- •苦土石灰 200g/m²散布
- •堆肥2-3kg/m²投入
9月
平均気温 23-25℃
🌱種まき
- •株間40-50cm、深さ1cm
- •1カ所5-6粒ずつ種まき
- •発芽適温20-25℃
9月
平均気温 20-23℃
✂️1回目間引き
- •本葉1-2枚時に3本立ち
- •1回目追肥(化成肥料5g/株)
- •土寄せ実施
10月
平均気温 18-20℃
🌿2回目間引き
- •本葉5-6枚時に1本立ち
- •2回目追肥(化成肥料10g/株)
- •防虫ネット設置
🥬結球開始
- •外葉17-20枚まで育成
- •結球開始前追肥
- •水分管理強化
11月
平均気温 13-15℃
💪結球促進
- •結球部の成長確認
- •病害虫チェック
- •適度な水やり継続
12月
平均気温 5-10℃
🎯収穫
- •結球が固くなったら収穫
- •株元から包丁で切断
- •外葉は堆肥として利用
📝 重要なポイント
温度管理
種まき適温20-25℃、結球開始温度15℃前後
水分管理
結球期は特に水切れ注意、乾湿の差を避ける
間引きタイミング
2回間引き(本葉1-2枚時、5-6枚時)が重要
結球促進
外葉を17-20枚まで育て、結球開始前に最終追肥
栽培のコツ - 結球成功の秘訣
白菜栽培で最も重要な「結球させるコツ」と「結球しない原因への対策」を詳しく解説します。
🎯 結球させる3つの絶対条件

✅理想的な結球
外葉で内部が包まれている

❌結球しない状態
外葉が広がったまま

⚠️結球が緩い
締まりが不十分
🔑重要ポイント
白菜の結球成功には3つの絶対条件があります。
❌結球しない主な原因
種まき時期の遅れ
9月中旬以降の種まきでは気温が低すぎて結球できません。
外葉の成長不足
株間が狭い、日照不足、肥料不足で外葉が育ちません。
害虫による芯の被害
アオムシなどが芯を食べると成長ホルモンが乱れます。
肥料のアンバランス
窒素過多で葉ばかり茂る、リン酸不足で結球しません。
✅結球しない時の緊急対策
外葉を紐で束ねる
11月に入っても結球しない場合、外葉を軽く束ねて内部温度を保ちます。
即効性肥料の施用
液体肥料を薄めて水やり代わりに与え、結球を促進します。
防寒対策の実施
不織布や寒冷紗で覆い、気温を1-2℃上げて結球を助けます。
諦める判断も重要
12月になっても結球しない場合は春まで待ち、菜の花として収穫しましょう。
病害虫対策
白菜は害虫の被害を受けやすい野菜です。早期発見・早期対策で健康な白菜を育てましょう。

🐛青虫(アオムシ)
症状:
症状: 葉に大きな食害跡、芯を食害すると致命的
対策: 手取り除去、BT菌農薬、防虫ネット

🐜アブラムシ
症状:
症状: 葉裏に群生、汁を吸って生育阻害
対策: 防虫ネット、天敵利用、粘着テープ除去

🌙ヨトウムシ
症状:
症状: 夜間に活動、株元を食害
対策: 夜間見回り、誘殺灯、株元の除草

🦋根こぶ病
症状:
症状: 根にこぶ、地上部の萎れ
対策: 土壌pH調整、輪作、抵抗性品種

💧軟腐病
症状:
症状: 株元が腐敗、悪臭を発生
対策: 排水改善、密植回避、傷口の保護

🍃べと病
症状:
症状: 葉に黄色斑点、裏面に白いカビ
対策: 風通し改善、葉面散水回避

🛡️防虫ネット
症状:
種まき直後から設置し、害虫の侵入を物理的に防止

💊有機農薬の活用
症状:
BT菌、ニーム、石鹸水など環境に優しい防除

💪健康な株作り
症状:
適切な栄養管理で病害虫に負けない強い株を育成
📝 重要なポイント
早期発見
毎日の観察で初期段階での発見を心がけましょう
予防重視
防虫ネットや適切な栽培環境で予防対策を徹底
天敵利用
化学薬剤に頼らず自然の天敵を活用した防除
通風確保
株間を適切に保ち風通しを良くして病気を予防
プランター栽培ガイド
🏠 プランター栽培なら害虫の発見・対処が容易で、移動可能なため天候に応じた管理ができます。少量多品種の栽培が可能で、無農薬栽培もしやすく、初心者でも安心して本格的なミニ白菜を育てられます。
🏺 準備するもの

プランター選び
幅65cm×深さ20cm以上、容量15L以上のプランターを選び、排水穴がしっかりあることを確認。2株同時栽培が可能で効率的。
- •深さが重要、根の成長に影響

品種選択
プランター向けのミニ白菜品種を選択。CRお黄にいり(極早生)、黄ごころ65(初心者向け)がおすすめ。収穫まで40-50日と短期間で楽しめる。
- •初心者は極早生品種がおすすめ

土と肥料・植えつけ
野菜用培養土12-15L、元肥入りがおすすめ。9月上旬までに中央へ1cm深の穴を作り3-4粒点まき
- •9月10日までに必ず種まきを完了

間引き
9-10月の間引き作業。本葉2枚の時点で2本立ちに、本葉4枚になったら元気な1本を残して間引く。成長を促進し結球を助ける重要な作業。
- •間引き後は必ず液肥を与える

育成管理
10-11月の育成期管理。土の表面が乾いたらたっぷりと水やり。外葉が充実してくる時期なので、水分管理と日光を十分に当てることが大切。
- •水やりは朝夕の涼しい時間帯が理想的

収穫
11-12月の収穫期。結球が手で押して固くなったら収穫のタイミング。ミニ白菜なら種まきから約60日程度で収穫可能。根元から包丁で切り取る。
- •朝の涼しい時間に収穫すると鮮度が保てる
🏺プランター栽培成功のポイント
プランター選び
深さ30cm以上の大型プランターで根がしっかり育つ環境を作る
水管理
土の表面が乾いたらたっぷり水やり。過湿は根腐れの原因に
追肥のタイミング
間引き後と結球開始前の2回、液肥で栄養補給
白菜の栄養価と効果
白菜は低カロリーで食物繊維とビタミンCが豊富な健康野菜です
🥬 白菜(100gあたり)
よくある質問
A.主な原因は①種まき時期の遅れ(9月10日以降)、②外葉の育成不足(15-17枚未満)、③株間が狭すぎる、④肥料のバランス不良、⑤温度条件不適合(15℃前後が必要)です。緊急対策として11月中旬に外葉を束ねる「結束処理」で内部温度を上げることができます。
A.8月下旬から9月10日までが絶対期限です。どの地域でも9月10日以降では確実な結球は期待できません。発芽適温は20-25℃、生育適温は15-20℃です。種まき前に10日間の天気予報を確認し、極端な高温が続く場合は1週間程度調整しましょう。
A.①結球の固さ(手で押して適度な弾力)、②外葉の状態(黄色く枯れ始める)、③頭頂部の締まり(しっかり固くなる)の3点で判断します。早めの収穫でも美味しく、遅すぎると裂球の原因になります。
A.ミニ白菜は重量300-500g(普通は2-3kg)、栽培期間90-120日(普通は120-150日)と短期間で育ちます。プランター栽培に適しており、家庭消費にちょうど良いサイズです。結球の基本管理は同じですが、株間30cmでも栽培可能です。